銘柄分析ノート:(3674)オークファン

投資

銘柄分析のサマリー

オークファンは、「データ×流通プラットフォーム」を活用・提供することにより、22兆円とも言われる「在庫の廃棄」の改善に取り組んでいる会社です。

在庫の廃棄の改善に力を入れていることから、本来破棄されてしまうような商品の適正価格を導くための既存データの量やノウハウ、そして分析だけでなく販路の提供まで可能なことがオークファンの競争優位性となりそうです。

提供サービスの利用者数はコロナを境に増加しており、EC関連事業は好調ですが、Q1、Q2の遅れを取り戻してFY2020の予測売上を達成するにはQ3、Q4で前年同期比145%の売上を達成する必要があります。(投資事業部分を除く)

株価は、コロナ以降のマザーズ指数と同等の株価推移で、上昇基調です。

ただし、ここ数日は決算期待からか、マザーズ指数よりも上昇気味です

サービスの利用者月次データ開示後(7/15)に、投資機関の大量保有報告書が提出されている(報告義務発生日7/31)ので、Q3で前年同期比145%というのも達成できそうな気もしています。

8月14日の第三四半期決算の値が、前年同期比145%を超えている場合には、直近高値を抜け上昇が加速することと期待します。しかしこれを超えない場合には、前年同期比で上回ったとしても失望で下落する可能性があると考えます。

会社の概要

データを活用したプラットフォームを提供することにより、22兆円とも言われる「在庫の廃棄」の改善に取り組んでいるようです。SDGs銘柄といえるでしょう。

 「あらゆる人が、あらゆる場所で、あらゆるモノを売り買いできる新たな時代を創る」ことをミッションに掲げ、「グローバルな循環型消費社会の先駆者であり続ける」というビジョンのもとに、唯一無二の『データ×流通プラットフォーム』のサービスを展開しております。

 日本だけでも年間約22兆円規模の商品が消費者に届けられることなく、企業の倉庫や小売店で廃棄されています。(中略)当社グループは、創業来の基幹事業であるネットオークション・ショッピングの比較検索サイト『aucfan.com(オークファンドットコム)』をはじめとした「商品相場」に関する情報提供(インターネットメディア)事業を核としつつ、卸・メーカーを対象としたマーケットプレイスの運営やインターネット上での販売活動支援等を行うソリューション事業を通して、この22兆円の巨大市場に取り組んでおります。

EDINET: 有価証券報告書

事業分野

事業は、在庫価値ソリューション事業、商品流通プラットフォーム事業、インキュベーション事業にわけられているようです。

在庫価値ソリューション事業

在庫の廃棄ロス・欠品を抑制する在庫管理サービス、及び商品の価値を見える化し、適切な販路・価格での流通を支援するサービス事業のようです。

そのサービスは機能顧客の事業規模で分類されるようです。

機能は、1. 診断、2. 治療、3. 予防に分類されるようです。

在庫価値の可視化/価格と販路の最適化を行う「診断」および「予防」は、サブスクリプションによる収益です。

一方で、滞留商品の流通を行う「治療」は、手数料など流通額に左右される収益モデルのようです

商品流通プラットフォーム事業

破棄されうる商品について流通を促すプラットフォームの提供を行っているようです。

インキュベーション事業

国内外のベンチャーへの投資を行っているようです。

会社の強み

新品、現行品はもちろん、本来破棄されてしまうような商品でさえ顧客の商品力とブランド力を毀損することのない適正価格を大量のデータから導き出し、その先の販路まで提案・提供できることでしょうか。

特に、本来破棄されてしまうような商品の取り扱いに力を入れていることから、これに関する適正価格を導くための既存データの量やノウハウ、そして分析だけでなく販路の提供まで可能なことがオークファンの競争優位性となりそうな気がします。

株式会社オークファン
中立的な立場の国内最大級、唯一のオークション、ショッピングの比較、検索サイト「オークファン」を運営する株式会社オークファンのコーポレートサイト。

業績の推移

提供サービスの利用アカウント数は右肩上がりで、コロナを境に、月当たりのアカウント数は増加しているようです。

しかし、2020-Q2の売上高でみるとQ1と比較して増加しているようには見えません。

これは、事業整理による売上剥落(4億円)が存在するためで、主要事業では成長しているようです。

FY2020の予測売上高は前年比122.9%の8,155(百万円)で、インキュベーション事業を除くと、7,583(百万円)ですが、Q2時点での進捗率は38.9%です。

会社としては、EC関連事業の好調を理由に、予測値の達成を据え置いています。

FY2020の予測売上高を達成するには、Q3、Q4で前年同期比145%の売上を達成する必要がありそうです。

株価の推移

オークファンは、時価総額は107億円、昨年度の売上高は66億円程度です。

株価でみると、7月末にMACDがゴールデンクロスしており、株価も移動平均線上で推移しています。

直近高値を目指して上昇基調となっています。

ただし、コロナ以降のマザーズ指数と同等の株価推移で特段強いというわけではなさそうですが、ここ数日は決算期待からか指数を上回っています。

7/15の利用者アカウント数の月次データ開示あたりから上昇基調に転じているため、アカウント数の増加を見て決算期待がなされているのでしょうか。

投資機関が大量保有報告書を提出しているので、8月14日発表予定の第3四半期決算は良決算と踏んでいるのでしょうか。

コロナショック底値付近の3/18を起点に、オークファンおよび四季報に記載の比較会社やマザーズの相対株価の推移を以下に示しています。

オークファンの分析ですが、これをみるとラクーンを買ったほうがいいような気がしますね。

参考

2020年9月期(第14期)第2四半期決算 補足説明資料

https://pdf.irpocket.com/C3674/yCGV/eBmp/KdOd.pdf

オークファングループ ビジネス利用アカウント数 月次データの開示に関するお知らせ

https://pdf.irpocket.com/C3674/lHos/x5Az/AV5Q.pdf

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